今後の「居心地のいい水準」と「最悪想定」
2月からずっと、
「現時点では14800―15400円が居心地のいい水準」
と申し上げてきました。
逆にいえば、このレンジから大きく離れても、
いずれ戻ってくるということです。
そして、実際にその通りになりました。
なぜ、この「居心地のいい水準」を割り出せたかですが、
私の分析の中心にあるのは、
拍子抜けするほど単純で基本的な話で、
ただ、日経平均のPERとEPSを意識したに過ぎません。
本当に、バカみたいに簡単な話ですが、
そもそも、株価とは「EPS×PER」のことですから、
世界中のプレイヤーがこれだけはチェックしています。
逆にこれを無視しての投資は、
無理と非常識になります。
基本こそ全て。基礎こそ到達点なのです。
複雑な計算をして小細工を弄するよりは、
一番重要な指標をひとつ、
方位磁石のように意識するほうが圧倒的に重要です。
さて。
私の分析です。
まず、近年の日経平均PER平均値は15倍前後。
これより上なら強気相場、
下なら弱気相場です。
もっといえば、
「異常に強気」のときはPER15.5~16倍。
「異常に弱気」のときは14~14.5倍くらい。
その中間が標準値です。
結局のところ、アベノミクス相場といえど、
PERで14倍~16倍の往復相場です。
単純な話、ここまでは、
「PER14倍で買い」
「PER16倍で売り」
を繰り返すだけで勝てました。
ご自身で過去のチャートで検証してください。
事実として、
PERが14~16倍のレンジを算出してみると、
EPSが600円台に低迷した民主党政権時は日経平均7000-10000円
EPSが900~1000円の安倍政権になってからは12600―16000円
ほぼ正確に株価レベルをあらわしています。
では、本年4月以降の株価はどうなるのか。
現在、日経平均のEPSは1011円ですが、
これが増税と公共投資削減で5%下がると仮定します。
(あくまで仮定です)
すると、「EPS=960円」。
この前提で、
もし、PERが「ど真ん中」の15倍ならば、
EPS(960円)×PER(15倍)=14400円
ちょうど、今、このあたりですね。
そして、その前後の「株価位置」を算出すると、
次のようになります。
【過熱相場(異常値)】PER15.5~16倍
→ 日経平均14880~15360円
【強気相場(正常値)】PER15~15.5倍
→ 日経平均14400~14880円
【弱気相場(正常値)】PER14.5倍~15倍
→ 日経平均13920~14400円
【暴落相場(異常値)】PER14~14.5倍
→ 日経平均13440~13920円
いかがですか?
メジャーSQでの波乱があったとはいえ、
先週来の値動きの背景をよくあらわしているでしょう?
あの波乱は、4月以降に向けての修正でもあったのです。
私が2月からなるべく14800円で利確し、
それより上では買わないように慎んできたのは、
4月以降の相場を考えたからです。
このまま政府が手を打たないで4月を迎えれば、
14800円より上は「異常値」になるのです。
また、3月7日ナイトセッションで15400円をつけた時、
「このあたりが天井」(3月13日記事参照)と感じた根拠も、
ここにあります。
悪いことに今は、
ウクライナ危機だの、
チャイナショックだの、
いろいろな「グローバル・リスク」がくすぶってる最中ですから、
上記に書いた「弱気相場」(日経平均13920~14400円)が、
4月初旬の「居心地のいい水準」になるのではないでしょうか。
そして「最悪想定」を考えるならば、
PER14倍となる13440円までの下落は、
十分にあり得ることになります。
もし、今週、ウクライナ情勢やFOMCが大波乱となり、
日経平均も垂直落下したら、
25日線からの乖離率がマイナス10%となるのが、
ちょうど13400円くらいですから、
そこまでは下げる可能性が十分にあるわけです。
逆に言えば、そこまで下げても耐えることができ、
そこから挽回できるリスクヘッジ策を講じてないと、
「破産」のリスクにさらされていることになります。
無論、「EPS=960円」は仮定の話ですし、
予想EPSは政策要因でいくらでも変わります。
法人実効減税や雇用規制の緩和など、
政府が持ってる「主砲弾」を撃てば(あるいは匂わせれば)、
「予想EPS」は一瞬で1割も2割も上がります。
仮にEPSが現在の1000円から1200円になったら、
PERが「ど真ん中」の15倍で日経平均18000円。
安倍政権が打つべき施策を打てば、
18000円は合理的に無理なく達成できるのです。
逆に、このまま無為無策で過ごしたところに、
「中国との貿易途絶」
「ガスショックによる欧州市場の麻痺」
「地政学危機によるさらなる石油高騰」
など、明日にも起こり得る「グローバルリスク」が襲ってくれば、
予想EPSは簡単に1割も2割も下がります。
これを無視して、「買え」「買え」というのは、
やはり罪深いという他はありません。
以上の話は、
あまりにも簡単で、誰でも知ってる話だと、
どこかからお叱りを受けそうですが、
人気ブログ上位の方々のなかには、
こうした基本中の基本を無視して、
あり得ないような想定で「買え」と推奨される方もいます。
また、プロならば誰でも知っているはずなのに、
顧客によく伝えないで「買え」と推奨するケースも多々あります。
実際、消費増税を目前に控えた今年1月、
日経平均16000円とか15700円とかいう「高値」なのに、
「買え」「買え」と推奨する人があまりに多かったことが、
私がこのブログを立ち上げようと思った動機のひとつです。
投資スタイルは人それぞれですから、
順張り、逆張り、長期保有、波乱狙いと
いろいろあるでしょうが、
私の読者の皆様には、最低でも、
世界中のプロたちが必ず押さえている、
基本中の基本の数字だけは確認した上で、
それぞれに「勝てる」戦略を実践して欲しいと、
心から願う次第です。
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※本ブログは国際情勢、政治、経済に関する情報分析と、私自身の相場分析、トレード戦略をお伝えすることが目的であり、読者の皆様への投資助言、推奨のようなことは一切行っておりません。また、記事の内容には万全を期していますが、相場は常に「想定外」の事柄が発生しますし、さらにいえば、相場予測が正しくても、それで勝てるとは限りません。読者の皆様が、本ブログの記事を参考にトレードされることがあっても、筆者はいかなる意味でも責任を負いかねますことをご承知おきください。いずれにせよ、投資においては自己責任が絶対の原則ですから、情報武装、知識武装、リスクヘッジに万全を期されることをお勧めします。皆様が大きな富をつかまれることを、心よりお祈り申し上げます。
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